出っ歯の歯科矯正治療例
投稿日:2022年 07月 03日
最終更新:2022年 07月 11日
上顎前突(出っ歯)の症状について
上の前歯や上顎が前に出ていたり、下顎が後ろに位置している状態が上顎前突(出っ歯)と呼ばれる歯列です。前歯が咬み合わないため、適切な咀嚼ができず胃腸などの消化器に大きな負担がかかります。また、前歯が前方に出ていることによる審美性の低下や衝突・転倒による損傷リスクが高いことが特徴です。
上顎前突の原因
先天的要因として、生まれ持って上顎や上の前歯が前に飛び出していることや、前歯が通常の歯よりも大きい巨大歯であることが原因として挙げられます。
後天的要因として、指しゃぶりや爪を噛む行為、舌を前方へ突き出す舌突出癖が原因として考えられます。また、鼻の病気などにより口呼吸でいると前歯にかかる口唇からの圧力が弱まり前方へと傾くことがあります。
上顎前突のリスクのついて
出っ歯の人が事故などでケガをした際、出ている前歯が折れるケースが少なくありません。また、事故やスポーツなどで人と衝突した際に、凶器になることもあります。
噛み合わせがあっていないことにより、上手くものを飲み込むことができません。前歯の間に舌を押し込んで飲み込むことで症状が進行させてします。
顎が痛み、口を大きく開けづらく、顎を動かすとカクカクといった音がする顎関節症を発症するリスクが上がります。頭痛の症状も伴う場合があります。
上顎前突の基本的な治療法
お子さんの場合は骨格の成長を利用して治し、大人は歯と骨格を動かして治します。ワイヤー矯正やマウスピース矯正に加え、歯の向きを変えるセラミック矯正による治療をします。
出っ歯の歯科矯正治療例 ( 10代女性 治療期間:3年3か月 )
年齢:10代女性 治療期間:3年3か月 抜歯部位:上下左右一本ずつと、上の左右の奥歯抜歯 備考:親知らずを利用。
10代の女性です。上の歯の突出感と上下の歯の凸凹を気にされて来院されました。分析の結果、上下左右の歯を一本ずつ抜歯を行いました。上下の凸凹をとるだけだと、出っ歯が残るため、アンカースクリュー(ネジ)を上の顎にいれて、全体的に後ろに下げるプランと、追加で上の左右の奥歯を抜くことによって前歯を下げるプランを提示したところ、患者様はアンカースクリューを打つよりも、奥歯を抜くことのほうが抵抗がないということで、後者を選択していただきました。上の奥歯を抜く場合、親知らずを使用することになるので、親知らずが生えるのをまつために治療期間が長くなりましたが、かなり出っ歯な感じは改善され、ご本人もゴムの使用をかなり頑張っていただいた為、治療目標を達成することができました。
出っ歯の歯科矯正治療例 ( 20代女性 治療期間:3年8か月 )
20代の女性です。上の歯の突出感を気にされて来院されました。分析の結果、上の左右の歯を一本ずつ抜歯を行いました。上の前の突出感を完全に取りきるため、アンカースクリュー(ネジ)の使用を考えましたが、解剖学的に使用が出来なかったため、ミニプレートをいれました。結果として、上の前歯は理想的な位置まで引っ込めることができ、唇も閉じやすくなりました。上の歯だけを抜く場合、下の歯の凸凹をとる際に下の歯を唇側に倒さざるを得ないことがありますが、今回の場合は歯にやすりがけを行い、全体的な歯の接触点を0.2~0.5mm程度削ることにより改善しました。